鎌倉と言えば、青い紫陽花に古いお寺、どれも盛夏でも、簡単に清涼と閑静が醸し出せる。

镰仓

     今は5月末で初夏だ。今日は江ノ島駅から鎌倉高校前まで電車で行くことになっている。江ノ島駅の入り込んだ踏切も、あっちこっち邪魔になりそうな電柱も、意外に調和感があり、全然重苦しい感じがない。

   電車の中が混んでいたが、東京のこわばりとは違って、鎌倉の人はみんな誰も気にせずゆったりしている。窓側から手を出せば、道路両側の民間の壁が触れるくらい細い鉄道でも、みんなにとって安全感かと思われる。この安全感があってからこそ、車内で冷静に好きなことができるのだ。

镰仓

   隣の淑やかなおばあさんはじっと本を読んでいて、私も思わずカバンから文庫本を出してきたのだ。この落ち着きを味わいたい。

 鎌倉駅で降りたら道の隣は太平洋だ。ここはサーフィンが盛んだ。サーフィンボードの乗せた自転車を力強くて楽にこいでいるおじいさんたちの姿を見て、「この少年は活気だなあ」と言い出してきた。海みたいに元気満々な鎌倉だ 。

镰仓

   戻り道でふと気づいた。車内の人、窓外の紫陽花は、鎌倉の清雅だ、揺れながらの電車は自分の活力でこの町の伝統的な雰囲気を守る同時に、生気も入れているのだ。